先日、エナジーサポート社のAOG(GAB)の方向性GR試験に使用した模擬コンデンサーについての質問があったので説明します。
AOG方向性GRの試験回路図↓

丸で囲ったものが方向性GRの電圧検出用のコンデンサーです。
ただこのコンデンサーは柱上に設置されているので、試験回路の構成は柱上作業が伴い厄介な試験になります。
そこで以前このブログで紹介したものは、試験用に模擬コンデンサーを使用しての試験です。
模擬コンデンサーです。
仲間の電気管理技術者に作ってもらいました。
子供の手のひらにのるミニサイズです。

↓試験電圧入力用の端子です。

内部で3線短絡してあるので試験器の試験電圧を接続します。
↓こちらは継電器の電圧端子に接続するコンデンサーの出力端子です。1/100に分圧された電圧が出力します。

継電器のV1,V2、V3端子に接続します。
ボックスの内部です。↓


基板にコンデンサーで分圧回路が作成されています。
回路は上の試験回路のコンデンサー回路ですが容量を合わせるために複数個のコンデンサーが組み合わされています。
コンデンサーの容量は、メーカーの図面では、高圧側(C1)0.0150μF、低圧側(C2)0.15μFです。
容量比はC2/C1=100±10で3組のコンデンサーの容量比は揃え、その差は2/100以下に収めるとしています。
模擬コンデンサーの制作者の談では、実測値で調整したとのことです。
コンデンサの耐圧は試験電圧しか印加しないので試験電圧に耐えられればOKです。
100%地絡時の印加電圧は3810Vですが、そのときコンデンサーの分圧電圧は1/100の38.1Vとなります。
実際の試験では、5%の試験では高圧側に190Vの試験電圧印加、分圧した電圧は1.9Vです。
今では(E)社のAOGは廃版となってしまいSOGに置き換わっています。でもまだ、使われているところが多々あります。
AOGの方向性GRのにはこの模擬コンデンサーにより簡単に実施できるので興味のある方は作成してみてください。
柱上の零相電圧検出用コンデンサの形式は「VOC-1W」です。エナジーサポート社のホームページから図面がダウンロードできますので参考にして下さい。
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