今回は、瞬時要素の動作試験を行いました。
まず、商用で瞬時要素の動作電流測定を行いました。
➀瞬時設定 30A 商用電源

一番上のロジック信号赤がVCBの主接点、白がOCRの補助接点、その下の黄が試験器の電源電圧実効値、青が試験器の電源電流(実効値)です。
試験器の電流レンジ50Aにて電流を徐々に上げてゆき、瞬時要素を動作させ、電源電流の最大値を測定しました。上の写真では13.5Aでした。電源電圧は95Vまで下がっています。
②瞬時設定 40A 商用電源 このときの電源電流は25.5A、電圧は90Vまで低下しました。

③次はEFデルタでの試験です。瞬時設定30Aと40Aで実施しました。
写真は40A設定時のものです。

電源電流は23Aでした。電電電圧は定電圧が効いているのか変動は少ないです。
EFデルタの定格出力は1600Wです。最大電流は16Aなので、40%の過負荷となっていますが壊れずに試験できました。
EFデルタの瞬時最大は3100W、270msecとの表示なので使用範囲外の電流です。
30A設定での試験では電源電流は13Aでした。
④次にジャクリーにて瞬時30A設定にて行いました。

電源電流は13.5Aでした。
商用、EFデルタ、ジャクリーとも瞬時試験時の電源電流は約13Aでほぼ同じでした。
ジャクリーは借用品なのでオーバーロードとなる40Aの試験は行いませんでした。
EFデルタは定格出力1600Wですが、借用したジャクリーは1800Wとの表示がありました。使用したEFデルタより出力は大きいです。
定格電流以上の出力はメーカーは保証していませんし、電源装置にはダメージを与えているので、EFデルタ、ジャクリーとも瞬時要素の動作電流測定は30Aまでとした方が無難だと思います。
ちなみに、抵抗短絡で40Aを試験しましたが、VCBトリップできませんでした。このときの電源電流は10A以下です。
↓今回試験に使用したポーダブル電源です。


ジャクリーは1800W、EFデルタは1600Wです。大きさも重さも200Wの差以上あります。・・・
一息おいて・・・・40Aとか50Aの瞬時要素の試験をどうするかですが、OCR試験器のオートモードを利用して電流を流してみました。
➀商用電源にて、瞬時40A、試験器設定4A、1000%(40A)にて試験

電源電流10A、動作時間72ms でした。
②同じく商用で瞬時50A、試験器設定5A、1000%(50A)にて試験

電源電流11A、時間72msでした。
瞬時整定電流の100%電流なので動作時間は長いですが、それぞれの整定電流でトリップの確認はできました。
③EFデルタ電源にて瞬時50A、試験器設定5A、1000%(50A)にて試験

④ジャクリー電源にて瞬時50A、試験器設定5A、1000%(50A)にて試験

いずれも商用と同様で電源電流10~11A 時間は71~72msでした。
オーとモード利用すれば少ない電源電流で瞬時要素の動作試験が可能です。
写真はありませんが、商用電源にて
瞬時要素30A整定、試験器4.5A、1000%設定(45A)・・・瞬時整定値の150%電流にて試験したところ遮断時間は47msでした。
基準では瞬時整定電流値の200%電流にて動作時間は50ms以下なので、一応基準がクリアできていることが分かります。
瞬時要素の試験については、EFデルタ、ジャクリーとも30Aまでは試験が可能です。(EFデルタは40Aについては自己責任で使用可能です。)
40A、50Aは双興のオート設定できる試験器を使用すれば、オート機能で動作試験ができます。
ポーダブル電源も出力の大きいものを使えば試験は可能と思いますが、ポーダブルでなくなるので意味ワカメになってしまいます。
時限要素も瞬時要素も使用した双興の機種以外の機種、他メーカーの試験装置では、結果が違ってくると思われるのでそれぞれ確認する必要があると思います。
ポーダブル電源に過大な負荷をかけて、高価な装置を壊してしまったら元も子もないので、くれぐれ注意しながら試験してください。
このシリーズ一応完結です。まだしばらく試験セットは残しておくので何かコメントがあれば対応します。・・・
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