今日は今週末に更新予定の動力変圧器とLBSの交流耐圧試験を行いました。
今日の試験は最近管理技術者協会に入会された新入会員の研修を兼ねての実施です。
1.試験回路構成、作業区画・危険表示等取付

➀試験用電源・接地端子の確保
今回は稼働中の工場内で実施。電源は車載電源を使用、接地は事業者に承認いただいた分電盤の接地端子を使用しました。
②作業区画・危険表示などの設置
高圧加電部の区画には、伸縮式のカラーコーンとコーンバーを使用しました。注意表示は自作の表示板をコーンバーに取付けし
ました。試験中は三脚に取付けたパトライトを点灯しました。(電源は試験装置の外部電源を利用)
これらは第三者の危険防止の他試験者にとっても有効と思います。
③試験機器の印加部の準備
被試験変圧器は高圧側端子を三相短絡し試験電圧印加点としました。二次側は三相短絡接地しました。
今回はLBS1台も同時に試験したのでLBSも三相短絡し別の試験ケーブルにて印加しました。
④
被試験機器、試験装置に接地が確実に取付られていることの確認が大事です。↓被試験変圧器の印加点

2.試験前の絶縁抵抗測定

➀三相一括にて高圧巻線-E間、高圧巻線-低圧巻線間、低圧巻線-E間の絶縁抵抗を測定し記録する。
今回はLBSーE間も同様に測定。
3.安全保護具
➀試験員は絶縁安全帽、高圧ゴム手袋、高圧ゴム長靴着用。
②検電器は30kV対応を使用。
③接地放電棒、接地器具にて接地放電、接地取付に使用。
↓使用した検電器と接地放電棒

検電器は使用前に検電器チェッカーで動作確認を行いました。
4.試験リード線取付
➀耐圧試験電圧印加部に試験リード線取付。
リード線の外れや、脱落がないよう確実な固定を確認する。②テストトランス高圧端子の接地取外し。
↓テストトランスの接地状況

5.耐圧試験の実施
⓪関係者や周囲の人に耐圧試験の開始を知らせる。監視員の配置など確認する。
➀耐圧試験器電圧調整器ゼロ確認
②試験電源元電源「入り」(今回は車載電源)
③耐圧試験器電源スイッチ「入り」
④パトライト点灯(外部電源「入り」)
⑤耐圧試験装置テスト押しボタンスイッチ「入り」
⑥充電電流のの増加などを確認しながら、耐圧試験器電圧調整ダイヤルにて徐々に電圧上昇。
6kV付近でいったん電圧上昇中断し、検電器で印加点の電圧印加を確認する。

検電器先端は接地側から充電部へ移動させる。
⑦引き続き、試験電圧10350Vまで上昇。
電圧、電流が異常ないことを確認して、カウンター、ストップウオッチなどスタートし開始時刻を記録する。
監視員にスタートを連絡する。
試験中は電圧や電流の値を監視し、異常があれば即電圧を降下させ試験を中止する。
↓試験中の状況

⑧1分経過時、9分経過時の電圧、電流値を計測し記録する。
10分経過したら、徐々に電圧を降下させる。
⑨電圧0Vを確認し、試験器のストップ押しボタンスイッチを押す。パトライト消灯する。試験装置電源スイッチ「切り」とする。元電源を「切り」とする。
⑩テストトランス高圧出力端子を検電し、電圧がないことを確認する。
出力端子にて接地放電棒で放電後、接地装置にて接地する。
6.試験後の絶縁抵抗測定
➀試験電圧印加線を取外し、試験前と同様に絶縁抵抗測定を行い記録する。
②絶縁抵抗測定後は接地放電を行う。
③天候、気温、湿度を記録する。
7.試験機材の片付け
8.試験データー整理・報告書の作成
↓試験記録(例)


今日実施した耐圧試験が後日参考になる方もみえるかもと、そのまま手順書調に記載しました。
新入会員研修ということで、できるだけ基本に沿って実施したつもりですが、我流の手順なので、お気づきの点があればコメントにてご指摘ください。
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