VT内蔵PASのヒューマンエラー対策
- 2022/10/22
- 21:14
先日も紹介しましたが、所属する電気管理技術者協会内で作業者の過失による、VT内蔵PASの破損による波及事故が発生しています。
PAS内蔵VTの接続図↓

今回は内蔵VTが破損する考えられる原因について抽出してみました。
1.VT充電中の事故
1-➀リレー試験器の電源としてP1-P2電源を使用し、内蔵VTの負担容量を超過した。
→リレー電源を所内の電源と勘違いした。
1-②リレー試験のためP1-P2配線をリレー端子台から外す際にP1とP2を短絡させた。
→外した配線端子をテーピングなどで絶縁しなかった。
1-③リレー試験のためP1-P2端子をリレー端子台から外す際にP1端子を地絡させた。(P2がPAS内でアースされているためP1が地絡するとP1-P2が短絡となる)
→外した配線端子をテーピングなどで絶縁しなかった。
1-④リレー試験時にP2配線のみ取外し、P1接続のままP1-P2に試験電圧を印加した。(試験器筐体接地ーPAS接地線を通してVTに逆圧印加しVT焼損)
→外部電源を使用するとき、P1-P2とも端子の配線を外さなかった。
1-⑤リレー試験後の復旧にて取り外したP1-P2を逆接続した。(P2端子が接地側のため逆接続の場合、制御器内部故障の恐れがある。メーカーにより内部接続にてVT2次短絡事故事例もあるので要確認(エナジーサポート社製では内部側での接地無し。))
→P1-P2を勘違いして逆接続した。
2.VT停電中の事故
2-➀リレー試験時P1-P2を外さないで、試験器から試験電源を供給した。(高圧側の作業接地によりVT一次側短絡している。短絡なしでも充電電流で容量オーバーの可能性がある。)
→リレー電源を所内の電源と勘違いし、なおかつ電源ブレーカー開放済みと勘違いした。
②-②リレー試験時P2配線のみ取外し、P1接続のまま試験電源を供給した。(1-④と同じ)
→1-④と同じ
以上過去の事故実績と考えられる事故を拾い出してみました。
充電中でのリレー試験時の事故はトリップ回路を外していることがあるので、その時はPASが開放せず波及事故になります。
P1-P2の片線を浮かして試験器の補助電源を印加する場合は、試験器や商用電源の接地を経由してVT二次の短絡となる場合があるので注意が必要です。
<所属する管理技術者協会の点検実施要項の手順>

通常の場合は、上記注意事項を遵守して実施すれば問題は無いが、思い込みや勘違い、不注意などで事故が発生する。
私達も上記手順に基づき、第1柱PASの破損のGR・DGRの試験は次の手順で実施しています。
➀充電状態で、連動動作試験
リレーのP1-P2の配線は外さない・さわらない。試験器からkt-lt、V-T接続。VT内蔵の場合は試験器電源をキュービクル電灯電源から延長し、カウンターのストップ信号とする。
②リレーの特性試験は、PAS開放後実施する。
PASからのP1-P2配線は2本とも取外し、絶縁カバーで養生する。取外し前に検電器で無電圧確認する。
昨日実施した年次点検時の様子
↓連動動作試験の試験器電源はVT内蔵に取替え前のDGRに使用していた所内からの電源を使用

↓P1-P2取外し前の検電(今回追加)

↓取り外したP1-P2端子に絶縁カバーの取付け

これだけのことで、ほとんどのヒューマンエラーは防止できると思います。
実は、昨日の年次点検は先輩管理技術者の年次点検の応援で上記の作業は先輩管理技術者が実施している内容です。
昨日は、先輩に無理を言って私の考案した端子カバーを試させていただきました。

P1-P2端子の端子カバーを小型のワニグチクリップの一部を切り欠いたものに取替えました。

端子を取付けた後、カバーをスライドさせると絶縁カバーになり端子が隠れます。
(端子台にP1-P2の色別をメモしました。)

端子を浮かした時もそのままカバーを上に引き上げると端子の絶縁カバーになります。
この方法なら簡単にT1-T-2の短絡や地絡防止対策ができます。
正しい手順で実施すれば、今までの絶縁カバーで全く問題ありませんが、この方法ならよりヒューマンエラー対策になると思います。が・・・
・・・改善の余地があるかも? 透明のカバーがあるといいかもしれません。
PAS内蔵VTの接続図↓

今回は内蔵VTが破損する考えられる原因について抽出してみました。
1.VT充電中の事故
1-➀リレー試験器の電源としてP1-P2電源を使用し、内蔵VTの負担容量を超過した。
→リレー電源を所内の電源と勘違いした。
1-②リレー試験のためP1-P2配線をリレー端子台から外す際にP1とP2を短絡させた。
→外した配線端子をテーピングなどで絶縁しなかった。
1-③リレー試験のためP1-P2端子をリレー端子台から外す際にP1端子を地絡させた。(P2がPAS内でアースされているためP1が地絡するとP1-P2が短絡となる)
→外した配線端子をテーピングなどで絶縁しなかった。
1-④リレー試験時にP2配線のみ取外し、P1接続のままP1-P2に試験電圧を印加した。(試験器筐体接地ーPAS接地線を通してVTに逆圧印加しVT焼損)
→外部電源を使用するとき、P1-P2とも端子の配線を外さなかった。
1-⑤リレー試験後の復旧にて取り外したP1-P2を逆接続した。(P2端子が接地側のため逆接続の場合、制御器内部故障の恐れがある。メーカーにより内部接続にてVT2次短絡事故事例もあるので要確認(エナジーサポート社製では内部側での接地無し。))
→P1-P2を勘違いして逆接続した。
2.VT停電中の事故
2-➀リレー試験時P1-P2を外さないで、試験器から試験電源を供給した。(高圧側の作業接地によりVT一次側短絡している。短絡なしでも充電電流で容量オーバーの可能性がある。)
→リレー電源を所内の電源と勘違いし、なおかつ電源ブレーカー開放済みと勘違いした。
②-②リレー試験時P2配線のみ取外し、P1接続のまま試験電源を供給した。(1-④と同じ)
→1-④と同じ
以上過去の事故実績と考えられる事故を拾い出してみました。
充電中でのリレー試験時の事故はトリップ回路を外していることがあるので、その時はPASが開放せず波及事故になります。
P1-P2の片線を浮かして試験器の補助電源を印加する場合は、試験器や商用電源の接地を経由してVT二次の短絡となる場合があるので注意が必要です。
<所属する管理技術者協会の点検実施要項の手順>

通常の場合は、上記注意事項を遵守して実施すれば問題は無いが、思い込みや勘違い、不注意などで事故が発生する。
私達も上記手順に基づき、第1柱PASの破損のGR・DGRの試験は次の手順で実施しています。
➀充電状態で、連動動作試験
リレーのP1-P2の配線は外さない・さわらない。試験器からkt-lt、V-T接続。VT内蔵の場合は試験器電源をキュービクル電灯電源から延長し、カウンターのストップ信号とする。
②リレーの特性試験は、PAS開放後実施する。
PASからのP1-P2配線は2本とも取外し、絶縁カバーで養生する。取外し前に検電器で無電圧確認する。
昨日実施した年次点検時の様子
↓連動動作試験の試験器電源はVT内蔵に取替え前のDGRに使用していた所内からの電源を使用

↓P1-P2取外し前の検電(今回追加)

↓取り外したP1-P2端子に絶縁カバーの取付け

これだけのことで、ほとんどのヒューマンエラーは防止できると思います。
実は、昨日の年次点検は先輩管理技術者の年次点検の応援で上記の作業は先輩管理技術者が実施している内容です。
昨日は、先輩に無理を言って私の考案した端子カバーを試させていただきました。

P1-P2端子の端子カバーを小型のワニグチクリップの一部を切り欠いたものに取替えました。

端子を取付けた後、カバーをスライドさせると絶縁カバーになり端子が隠れます。
(端子台にP1-P2の色別をメモしました。)

端子を浮かした時もそのままカバーを上に引き上げると端子の絶縁カバーになります。
この方法なら簡単にT1-T-2の短絡や地絡防止対策ができます。
正しい手順で実施すれば、今までの絶縁カバーで全く問題ありませんが、この方法ならよりヒューマンエラー対策になると思います。が・・・
・・・改善の余地があるかも? 透明のカバーがあるといいかもしれません。
スポンサーサイト