標準抵抗器などの校正

今年も計測器や試験器の校正の時期となりました。
校正作業は、毎年年次点検や作業の少ないこの時期に実施しています。
標準器は、先日、メーカー校正を終えてきたフルーク社のデジタルマルチメーターです。

まず手始めに、二次標準器として使用する標準抵抗器の校正試験を行いました。



↑　ムサシインテック社のメガー、接地抵抗器校正用の標準抵抗器の校正です。
写真は1000MΩの校正値です。このマルチメーターは1000MΩまでしか測定できないので、2000MΩの測定は、1000MΩ―2000MΩ端子間の抵抗を測定し、1000MΩの測定値を加えた値としています。この標準抵抗器の許容差は1％です。




↑横河のの6ダイヤル抵抗器です。100Ωから100MΩまでダイヤルで設定できます。
写真は20MΩの校正値です。
この抵抗器では、メガーの校正試験に使用します。特にアナログ式では指針に対応する抵抗値を校正値としているので便利です。
この抵抗器の許容差はｋΩ以下レンジでは±0.05％±0.05Ω、MΩレンジでは±0.2％と高精度です。ちなみにフルークのデジタルマルチメーターの100MΩレンジの確度は0.3％+0.01％なので校正の意味がない状態です。



↑　こちらも横河の6ダイヤル抵抗器です。0.1Ωから1000Ωまで1ｍΩ刻みでダイヤルで設定できます。
精度は±0.01％±0.002Ωと高精度です。この抵抗器はあまり出番がないですが、バッテリーテスターやデジタルマルチメーターの校正用に使っています。

低抵抗の測定にはHIOKIの抵抗計も利用しています。
↓　横河の標準抵抗1ｍΩを測定



この標準抵抗は確度が100ppmと表示されています。百万分の100mVになるので0.01％の精度です。
抵抗計はメーカー校正済ですがこの試験も精度からいうと抵抗計の校正試験です。
この標準抵抗器はバッテリーテスターの校正用に使用しています。

その他、二次標準器と使用している標準電圧電流発生器についても校正試験を行いました。



こちらは交流の100ｍVから1000V、100ｍAから50Aを発生します。各レンジについて出力をデジタルマルチメーターで校正しました。この試験器は任意の電圧、電流をダイヤルで簡単に発生できるので大変便利です。交流電圧、電流の計測器の校正試験や動作チェックに使用します。
これで校正試験の準備が整ったので、順次実施していきます。